詩 『手のひらに修羅を』
タイトルは、寺山修司の『ポケットに名言を』から。
ポケットに文庫本をねじ込む時代から
スマホで詩を読む時代になったなと思ったので。
片づけが苦手で、文庫本はよくなくして、
何度も同じ本を買ってしまいます。
なので、なくしたくない『春と修羅』は
電子書籍で保管することにしました。
『 手のひらに修羅を』
Kindleで見つけた
ダウンロード
読むと言うより
眺めている
ぱらぱらとめくる
紙の感覚はないものの
右へ左へ ページを移動しつつ
その風景を愛でる
目の前で
賢治のことばの断片が舞う
スワイプする動きの
滑らかさとは 逆に
気取らない手触りの
心象スケッチ
なんだか
いいな
手のひらに
宮沢賢治がある安心感
ある日 天変地異が起っても
手のなかで
詩が読めるのは
なんという慰めだろう
その日のために
わたしの『春と修羅 』は
Kindleの中で
ひっそりと ただ そこにある