双極の波は あヲの波 創作とか診療日記とか

吐き出せない思いで窒息しないために

詩 『過呼吸』

最近はあまり起こさなくなったけど、以前はよく夏に起こしていたので、 自分的には夏の季語。 『過呼吸』 すぅっと空気が薄くなる あっ という間に 空気が肺から抜けていく 陸に上がった人魚姫は窒息する 息が出来ない 息が出来ない 願いはたったひとつ 過去…

詩 『感情のセンサーが故障しました』

気分の波を抑える薬の作用で、 感情が動かない双極の人は多いと思います。 でも、人生、味気ないですよね 『感情のセンサーが故障しました』 わたしの感情の センサーの数字は いつもゼロを指している 叫びたいほどの 激しい怒りも 泣きわめきたいほどの 哀…

詩 『宇宙船』

『宇宙船』 ZOOM越しの会話 それは 漆黒の宇宙で 偶然 信号を受信した 孤独な宇宙船同士の会話 目の前にいるようで 何光年も離れている会話

詩 『ありのまま』

基準になるライン自体が上下にブレるので、 どこか自分のニュートラルだかよくわからなくて、 どのあたりが「ありのまま」なのか迷います。 『ありのまま』 ありのままで と 高らかに歌いたいのに わたしを乗せた 小舟が小刻みに揺れて ありのまま が 焦点を…

詩 『最後の晩餐』

『最後の晩餐』 明日世界が終わるなら 最後の晩餐には アイスクリームを貪ろう 冷たさが血管を巡り 甘やかなバニラの香りで 心臓までも凍らせるように

詩 『午前4時は』

『午前4時は』 午前3時は夜更かし 午前5詩は早起き 午前4時は 決して星座の形にならない 孤独な惑星たちが 白みゆく空に 光を奪われてゆく時刻

詩 『眠れぬ姫 no sleeping beauty』

『眠れぬ姫』 眠り姫のように100年も熟睡できるなら 魔女の恨まれてもかまわない だって 不眠の方が邪悪だもの 邪悪なものよ 100年先で 待ってるよ