双極の波は あヲの波 創作とか診療日記とか

吐き出せない思いで窒息しないために

双極性障害2型

7月の診察日記

今の主治医には、2020年5月からかかっている。 診療は、月に1回。 毎回、「どうでしたか?」と聞かれて、 「沈みがちだった」とか、 「急に3日くらい元気になった」とか、 Googleのカレンダーを見ながら話す。 色んなアプリとか試したけど、 結局、どれも長…

詩 『畏怖と憧憬』

これは、子どもの頃、親の仕事の都合で数年を過ごした離島での経験です。 『畏怖と憧憬』 海に呑まれてしまったら わたしはどうなっていたんだろう あのとき 子どもの頃を思い出す 外海に突き出す岩山のような島 海は泳ぐための海じゃなかった 船が行き交う…

詩 『可視光線』

『可視光線』 世界はポジティブとネガティブの 2つの要素で出来てる訳じゃない 紫外線と赤外線の間の可視光線が 本当は 紫 藍 青 緑 黄 橙 赤の 七色じゃなく 無限のグラデーションであるように 2つの間には無限の層(レイヤー)がある だから ポジティブだ…

詩 『推し』

『推し』 推しは 闇堕ちしないための 最後のよすが

詩 『因数分解』

『因数分解』 因数分解なんてことばを わたしは 使えない だって 数学のテスト6点だったし 椎名林檎みたいな 心の底から絞り出すことばに憧れる でも わたしは心が動かないから そんなことばは 出て来ない 嘘はつきたくないから もう 嘘はいっぱいついてるか…

詩 『過呼吸』

最近はあまり起こさなくなったけど、以前はよく夏に起こしていたので、 自分的には夏の季語。 『過呼吸』 すぅっと空気が薄くなる あっ という間に 空気が肺から抜けていく 陸に上がった人魚姫は窒息する 息が出来ない 息が出来ない 願いはたったひとつ 過去…

詩 『感情のセンサーが故障しました』

気分の波を抑える薬の作用で、 感情が動かない双極の人は多いと思います。 でも、人生、味気ないですよね 『感情のセンサーが故障しました』 わたしの感情の センサーの数字は いつもゼロを指している 叫びたいほどの 激しい怒りも 泣きわめきたいほどの 哀…

詩 『宇宙船』

『宇宙船』 ZOOM越しの会話 それは 漆黒の宇宙で 偶然 信号を受信した 孤独な宇宙船同士の会話 目の前にいるようで 何光年も離れている会話

詩 『ありのまま』

基準になるライン自体が上下にブレるので、 どこか自分のニュートラルだかよくわからなくて、 どのあたりが「ありのまま」なのか迷います。 『ありのまま』 ありのままで と 高らかに歌いたいのに わたしを乗せた 小舟が小刻みに揺れて ありのまま が 焦点を…

詩 『最後の晩餐』

『最後の晩餐』 明日世界が終わるなら 最後の晩餐には アイスクリームを貪ろう 冷たさが血管を巡り 甘やかなバニラの香りで 心臓までも凍らせるように

詩 『午前4時は』

『午前4時は』 午前3時は夜更かし 午前5詩は早起き 午前4時は 決して星座の形にならない 孤独な惑星たちが 白みゆく空に 光を奪われてゆく時刻

詩 『夜に見放されて』

『夜に見放されて』 闇と光が入れ替わる午前4時 雑に閉めたカーテンの隙間から うっすらと差し込む白い光 みるみるうちに 闇の魔王は打ち負かされ 今日も わたしは夜に見捨てられたまま ぐったりと朝を迎える 眠りよ 眠り おまえはどこへ行ってしまったのか …

詩 『絶望とは』

『絶望とは』 絶望ということばは 使いたくない 本当の絶望は ことばの届かないところにあるから

エッセイ 『カミングアウト or not』

わたしは、病気のことを周囲にカミングアウトしていない。 隠しているというより、 そのタイミングを失しているというのが実のところだ。 躁状態にあるときは、自分が病気であるという認識はないから、 うつ状態のときに、初めて病院にかかる。 あるいは、周…

エッセイ 『Bipolar(双極性障害) 北極もわたし 南極もわたし』

bIpolar(バイポーラー) 北極もわたし 南極もわたし 双極性障害は英語で Bipolar disorder(バイポーラー・ディスオーダー)という それを知った時 自分の中にポラリスが2つあるというのは、 言い得て妙だなと思った。 2つの星が交互に私を振り回すからだ。…